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 先の9月に開催された第91回日本社会学会で、「自由と秩序の社会学理論」というシンポジウムを企画し、かつ登壇者のひとりとして「社会が変わるには――自由の社会進化論によせて」という題目で発表をおこないました。日本社会学会では過去に若手フォーラム企画などを担当した経験はあれど、シンポジウムは企画するのも登壇するのも初めてで、まずは無事に終えることができて、いまさらながらにホッとしています。
 一緒に報告者としてご登壇いただいた小山裕先生(東洋大学)には「近代秩序における尊厳と公正――平等主義への社会システム理論的接近」、また市野川容孝先生(東京大学)には「社会的な自由の構想」という題目で、それぞれお話しいただきました。各先生の議論の中身をここで詳しく紹介するのはわたしの能力を超えるので控えますが、小山先生による理路整然とした歴史整理を踏まえた「格下げ平等のグローバル化」という議論や、市野川先生による戦中日本社会学の国体論や社会主義の優生思想を反省的に振り返りながらの「自由の秩序」に関する迫力ある議論は、どちらも唸らせる内容であり、登壇者としては手強い議論相手でしたが、企画者としてはこのお二人にご登壇を依頼してよかったとあらためて思いました。また、私の報告が何とかかたちになったのも、このお二人が「論敵(?)」としていらしたからに他なりません。再度心より御礼を申し上げる次第です。
 また、ウルリヒ・ベックの理論研究で著名な伊藤美登里先生(大妻女子大学)には、コメンテーターとして、ご自身のドイツでの調査経験にもとづいて、鋭いコメントとご質問をいただきました。強調すべきでしょうが、シンポ当日のガチンコの緊張感を保つため、登壇者同士は、事前に詳しい発表内容はお互い知らせないことにしてありました。これはコメンテーターもほぼ同じで、質問等も口裏を合わせるようなことはしていません。つまり伊藤先生には、登壇者一人あたり40分ほどの密度濃い発表を3人分聞いて、短い休憩後に即興で20分程度のコメントをしなければならないという、ある意味もっとも過酷な役をお引き受けいただきました。あらためて深く感謝を申し上げる次第です。
 そして今回、司会者には、同じく企画者である浅野智彦(東京学芸大学)お一人でお願いいたしました。じつはもともとはわたしも、当日は司会者として浅野先生の横に座っているつもりでしたが、企画を具体化する段階で浅野先生に登壇を勧めていただき、それまで自分自身では薄らぼんやりとしか考えのなかったこのテーマで何か話せるような気がしてきて、結果、登壇者として演台に立たせていただきました。浅野先生に背中を押していただいたおかげであり、また、事前の打ち合わせに始まって、シンポの趣旨説明やフロア入り乱れての議論の交通整理に至るまでのあいだも、何から何までお世話になりました。浅野先生抜きには成り立たなかったシンポです。本当にどうもありがとうございました。
 最後に、当シンポにご来場くださった聴衆の皆さまにも深く御礼を申し上げたいと思います。実際、地方開催に加えて夏休み中の9月中旬開催だったこともあって、大会自体の参加者数が例年よりやや少なく、また、裏に2つのシンポが行われていたことを考えれば、十分すぎる数の方に聞きに来ていただけたと感じています。さらに、予想以上にフロアからの質問も多く、また、登壇者とコメンテーターと司会者のあいだで噛みあう論点も想像以上に多くあったと感じています。ですので時間マネージメントの点で、企画者としてもう少し全体での議論の時間が取れるように設計すればよかったと、反省しきりです。通常のシンポよりも登壇者に詳しく話してもらおうと、多めに時間を割り当てたのは意図したところでしたが、これは次の機会につなげたいと思います。なお、会場校である甲南大学の先生方や学生さんたちには、会場の設営やシンポの運営で多大なご協力を賜りました。おかげさまでスムーズな進行ができました。記して深く感謝を申し上げます。また、3年間お世話になった日本社会学会・研究活動委員会の皆さまにも、いろいろ本当にお世話になりました。いつもわいわいがやがやと、予想外に楽しい時間でした。またお目にかかれるのを楽しみにしています。

 以上、学会大会後、所用で10日間ほどずっとバタバタしており、遅ればせながらの報告となりましたが、どうかご容赦いただければと思います。なお、余談ですが今回、日本社会学会大会の直前にベルリンでEuropean Sociological Associationの社会理論部会・中間会議でも英語での発表があったため、息つく暇もなく、準備が相当ハードでした。さらに、ベルリンから関西国際空港着で、そのまま会場校のある神戸に直行の予定でしたが、ご周知のとおり台風被害で関空が閉鎖となったため、シンポに間に合うよう帰国できるかどうかすら分からず、いろいろ気を揉むところでした。これについては、航空会社さんと旅行代理店さんのご尽力で、別空港(中部国際空港)に振り替えていただくことができ、ほぼ当初予定どおりに神戸入りができました。この場をお借りして、心から御礼を申し上げる次第です。
 というわけで、後期も始まりました。頭を切り換えて、また頑張っていきます。

  
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