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東北大学大学院理学研究科の大学院生が自殺した事件について、博士論文を2年つづけて受け取り拒否するなどした教員の指導に問題があったものと、内部調査委員会が結論づけたとの報道があった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090513-00000525-yom-soci

この件について、いわゆる「アカハラ」の実態がどれほどのものだったかこの記事だけではわたしには判断できないものの、ひとりの研究者の卵が無念の死を遂げたことは事実であり、きわめて痛ましく、また、程度の差こそあれ夥しい数の同種の事件が大学業界内にあるのはたしかであろう。上掲記事からリンクの張られていたページのアカハラ体験談を読むと、指導の一環云々とはとうてい言えないような、研究室の教官や先輩等々から被害者が受けた理不尽な仕打ちに強い憤りを覚える。

All About:アカハラに遭ってしまったら
http://allabout.co.jp/study/adultedu/closeup/CU20090203A/

ちなみに個人的見解だが、言説上できれいごとを並べたがるタイプは、実際の行為遂行場面では権威主義的あるいは権威同調的であることが多いように感じている。自己観察ができないのでおのずと言行不一致の落差が大きくなりがちである。

いずれにせよ、社会学者や教育学者でもっとこの問題を研究対象として積極的に扱ってもよさそうなものだが、あまりそうした話が聞かれない。研究者にとってはもっとも身近な社会問題であり、被害者も加害者もそこかしこにいる。遠くの問題にあれこれ口を挟むのもけっこうだが、同時に、自己観察的に足もとの現状も把握する必要があると思われる。


  
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