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 熊本大学に奉職してはや2年、ゼミとして初めての卒業生を送り出しました。
 それまでにも非常勤で、文献講読や社会調査実習、また1年生対象のゼミなど、演習系の授業はそれなりに持ったことがありましたが、いずれも私立大学でのことであり、どんなに少なくても15人程度は学生がいるのが当たり前で、本学のような、片手~両手の指で数えられるくらいの少人数でのゼミを受け持つのは初めてのことでした。わたし自身も私大出身なので、大人数のほうが勝手が分かっていることもあって、この2年間、試行錯誤の連続でした。
 少人数教育というのは、じつは意外に難しいものだと思います。人間関係の密度が濃くなる分、楽しいこともあれば腹の立つこともありますし、人数が少ないとかえって、良くも悪くも想定どおりには授業が進まなかったり、イレギュラーな方向に飛んでいったりします。むろんそれらはわたしの力量不足のせいですが、少人数だと、ある面では全人格的な付き合いになります。何より教育面での責任は重いです。なので、ひとりひとり明確に個体識別できるたった数人の学生を相手に、それぞれの個性に合わせながら、しかしそれでいてつかず離れずの距離感を保ちつつ、ゼミで学ぶ内容をそのつどどういうふうに構成し展開していくかは、日々悩みが尽きないところでした。ゼミ生たちがほんとうに千差万別の個性を持っているだけに、なおさらでした。
 ともあれ、このたび4年生4名全員を無事に送り出すことができて、まずはホッとしています。とくに卒業論文については、体罰問題と教員責任の関係史、ボランティアの動員問題、現代社会の郊外論、日本の公共性と貧困問題と、いずれの学生もきわめてハードなトピックを正面から取りあげて、資料や文献を集めて徹底的に読み込んだり、フィールド調査やインタビュー調査をしたりして、最後までがんばってくれたのは、個人的にとても嬉しいことでした。テーマがそうした「重め」のものであればあるほど、学生たちは書いている途中で新しい発見をし、自分の世界の見え方を変えていく機会が多くなると思います。じっさい、いずれの卒論もそうした成長の軌跡がよく分かるものでした。
 ひとつのまとまった4万字程度の論文を自力で書き上げるという経験は、これからの人生で古くなることは決してありません。社会に出れば、最短距離のストレートなんてもはやほとんどなく、大方の人がジグザグ道をあれこれ思い悩みながら歩いていくことになりますが、彼女たち4人がそのための準備を整えるうえで、わたしのゼミが少しでも寄与できていればと願います。
 この2年間、ほんとうにアッという間でした。ときどきわたしに叱られることもありましたしヤキモキすることもありましたが(笑)、個性豊かな面々で、毎回笑いの絶えないゼミでした。あらためてご卒業おめでとう。みなさんの飛躍と活躍を心から祈念するとともに、次に会ったときのみなさんの成長ぶりを楽しみにしています。

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