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 遅ればせながらの報告ですが、台湾にて10月5日から同月12日までの7日間、ゼミでフィールドワーク合宿を実施しました。期間中、大型台風が台湾に近づくなどがありましたが、幸いにして大きな影響もなく、メンバー全員が無事に帰国できました。また10月22日にはささやかながら報告会も開催し、社会人間学コースの2~4年生、大学院生、教員から有志20名ほどにお集まりいただきました。
 本年度前期のゼミでは、この合宿の準備として、多くの時間を台湾の学習に費やしました。台湾は、学生たちにとって人気の海外旅行スポットではありますが、しかしほとんどの学生が、台湾そのものについてはもとより、日本と台湾の関係、また台湾と中国の関係を、よく知りません。高校までの歴史の授業でいちおう習っているはずなのですが、その知識が現実となかなか結びつかないからです。
 ナショナリズムや植民地主義、多民族性や多文化性の問題を考えるとき、台湾は、社会学的にきわめて示唆に富んでいます。日本とは50年にも及ぶ植民地統治の歴史的なかかわりがあるだけに、なおさらです。今回の合宿はこの台湾という舞台を通じて、日本時代の遺跡をめぐり、日本語世代の方々にお話をうかがい、そして現在の台湾を広くかつ深く見て歩くことで、座学での受け身の学習だけにはとどまらない、深い理解の達成を目指してのものでした。
 しかし実を言えば、それとは別の狙いもありました。すなわち、学生ひとりひとりが、自分のあたまで能動的に考えて注意深く観察する能力、そして何より、異なった文化や他者とうまくかかわる力を身につけてほしいと考えたのが、今回の合宿を企画したいわば真の狙いでした。
 大学で学ぶということは、ただ授業の場にいて言われたことをやっているだけ、というものでは絶対にありません。臆病でアタマのコチコチに固まった自分という狭い枠から抜け出していくこと、それが大学で学ぶということだと思います。行動力や柔軟性のない大量生産型のペーパーテスト優等生は、もう不要な時代です。いつも決まった人たちといっしょにいても成長はありません。内弁慶でも活躍の場があるなんてことはありえません。社会で活躍したいと思うなら、ひとりでどこかに出かけて異質な人たちと話ができるバイタリティ、そして、足りないところに自分で気づいて自分を修正していける能力が、不可欠です。
 とはいえ、こうした合宿の効果というのは、すぐに目に見えて現れるものではありません。教員にできるのは種を蒔くことだけで、それを育てるのは本人たちの仕事です。上記の「真の狙い」がはたして達成されたかどうかはおそらく5年後や10年後に分かることでしょう。準備を重ねたとはいえ海外でのフィールドワークでゼミ生たちも大変だったと思いますが、うまくいったこともうまくいかなかったことも、あらためて我が身を振り返ってその経験を今後の糧とできるかどうか。どういう人になりたいかを考え、それに向けて意志を持てるかどうか。これらの意味ではフィールドワークはここからが本番です。彼女たちのいっそうの成長に期待したいと思います。
 いずれにせよ、今回はわたしにとっても教員として初の海外合宿で、戸惑うことや大変なこともありましたが、いい経験になりました。また、本合宿にあたっては本当に多くの方にお世話になりました。まずは台湾現地で多大なサポートをいただいた、Yichun、名久井さん、ナカイさんの三人に、深く御礼を申し上げます。とくに Yichun には、自身の結婚式にわれわれを招いてくれるなど、感謝の言葉もありません。彼女なしには今回の合宿はありえませんでした。本当にありがとう。また、本企画の実施をバックアップしてくださった同僚の先生方や職員の方々、さらに、台湾で出会い、いろいろなお話を聞かせてくださった現地の皆さまに、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

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