なんだか予想以上に日々慌ただしく、ブログを更新する暇もありませんが、これだけは書いておきたいという、とても嬉しいことがありました。
台湾人の畏友・劉怡君が、このたび、自身のバルカン半島旅行を綴った初の著作を刊行しました(本人自らドイツまで送ってくれて、先ほど手にしました)。
劉怡君,2017,『一個女生走看巴爾幹: 馬其頓、科索沃、阿爾巴尼亞』釀出版.(Liu, Yi-Chun, A Girl Exploring the Balkans: Macedonia, Kosovo, and Albania, 釀出版.)
じつはわたしが彼女と出会ったのが、まさにこのバルカン半島はマケドニア、映画『ビフォア・ザ・レイン』の舞台にもなった、オフリドにおいてでした。アルバニア国境近くにある、とても美しい湖の畔の街です(ブログ上の夕暮れ時の教会と湖の写真がまさにオフリドです)。本当にたまたまの出会いでしたが、当日のみならず、翌日・翌々日と、やはり『ビフォア・ザ・レイン』の舞台であるトレスカヴェッツ修道院を一緒に訪れることになり、その往路と復路で珍道中を繰り広げました。私の憧れであったトレスカヴェッツに辿り着けたのは、彼女のおかげです。
で、そのときの一連の出来事が、今回の彼女の著作のなかでもけっこう大きく取り上げられています。わたしがモロに写った写真も載っているので(もちろん事前に承知していましたが)、台湾では悪いことはできないなあと思います(笑)。
それどころか、著者の依頼で、本書に序文まで寄せてしまいました。
多田光宏,2017,「推薦序──獻給走在無徑之道的人們」同書3-5頁所収.(Tada, Mitsuhiro, 2017, “Recommendatory Foreword: To Those Who Walk the Pathless Path,” 3-5.)
中国語文化圏では、他の人が序文を書くのはそれほど珍しいことではないそうなのですが、書き方のスタイルにしても分量にしても、わたしにはあらゆる点で勝手が分からないので、拙序文が見当違いの内容でこの著作の売れ行きや評価の妨げにならないか、ものすごく不安でした。が、幸いにも本書は、台湾最大のオンライン書店にて、旅行関連の新作ランキングでトップになったそうです。それを聞いてまずはホッとしました。いずれにせよ、本当に名誉なことだと感じています。
なお、その反響からも分かるとおり、彼女は本当に多才かつウィットに富んだ人で、その着眼点や観察眼は目を見張るものがあります。ロンドンで歴史学の専門的トレーニングも積んでおり、たんなる旅行エッセイという水準を超えたクオリティを保証できます。グーグル・ブックスなどで電子版での購入も可能であり、一部閲覧もできますからぜひ。中国語が分からなくても、雰囲気は十分に伝わると思います。また、豊富な写真はどれも美しいです。風景写真もさることながら、著者はとくに人物の撮影が上手なんですよね。カメラを向けても相手が身構えないというのは才能、というか、彼女の人柄だと思います。
それにしても、たまたまフラッと出かけたバルカン半島での出会いが、こんなに続くなんて、思いもしませんでした。道中での彼女との対話が刺激となって、台湾についてあれこれ勉強し、台湾のみならず日本の近現代史について、自分の中途半端な知識や理解を思い知らされました。またそんなわけで、著者に誘われて台湾にも遊びに行きましたし、2度目の訪台ではゼミ生たちも連れていき、フィールドワーク中、その相手までしてもらいました。おかげで学生たちは、日本の文科行政的「数値目標の埋め草」のような国際化とは違った体験ができたと思います。そして今回の序文です。他の人の著作に序文を寄せる、それも日本語以外の著作になんて、夢にも思ったことがありませんでした(自分が本のなかに登場することも笑)。
なお誤解のないように述べておくと、残念ながら私は中国語が(繁体字も簡体字も)できないので、上記序文は、日本語で書いたものを、著者本人ならびに著者のご友人に翻訳してもらいました(なお著者が日本語を勉強し始めたのは比較的最近。すごいですよね)。今回の序文執筆の機会を与えてくれたこととあわせて、あらためて深く感謝を申し上げるとともに、著者のますますの活躍を心から期待する次第です。(あと、中国語が分かる方、読んで私がどう描かれているか教えてください笑)。

ついでに追記
Kirchentag のとき、ブランデンブルク門前でメルケルとオバマを見ました。双方とも話が簡潔で分かりやすく、かつ自分の言葉で語られた含蓄あるもので、なるほど感動しました(次のARDのサイトからは動画も閲覧できます。http://www.ardmediathek.de/tv/Kirchliche-Sendungen/Obama-und-Merkel-live-vom-Kirchentag/Das-Erste/Video?bcastId=4112710&documentId=43084900 冒頭30秒時点あたりでは人の集まり具合も分かります)。

台湾人の畏友・劉怡君が、このたび、自身のバルカン半島旅行を綴った初の著作を刊行しました(本人自らドイツまで送ってくれて、先ほど手にしました)。
劉怡君,2017,『一個女生走看巴爾幹: 馬其頓、科索沃、阿爾巴尼亞』釀出版.(Liu, Yi-Chun, A Girl Exploring the Balkans: Macedonia, Kosovo, and Albania, 釀出版.)

で、そのときの一連の出来事が、今回の彼女の著作のなかでもけっこう大きく取り上げられています。わたしがモロに写った写真も載っているので(もちろん事前に承知していましたが)、台湾では悪いことはできないなあと思います(笑)。
それどころか、著者の依頼で、本書に序文まで寄せてしまいました。
多田光宏,2017,「推薦序──獻給走在無徑之道的人們」同書3-5頁所収.(Tada, Mitsuhiro, 2017, “Recommendatory Foreword: To Those Who Walk the Pathless Path,” 3-5.)
中国語文化圏では、他の人が序文を書くのはそれほど珍しいことではないそうなのですが、書き方のスタイルにしても分量にしても、わたしにはあらゆる点で勝手が分からないので、拙序文が見当違いの内容でこの著作の売れ行きや評価の妨げにならないか、ものすごく不安でした。が、幸いにも本書は、台湾最大のオンライン書店にて、旅行関連の新作ランキングでトップになったそうです。それを聞いてまずはホッとしました。いずれにせよ、本当に名誉なことだと感じています。
なお、その反響からも分かるとおり、彼女は本当に多才かつウィットに富んだ人で、その着眼点や観察眼は目を見張るものがあります。ロンドンで歴史学の専門的トレーニングも積んでおり、たんなる旅行エッセイという水準を超えたクオリティを保証できます。グーグル・ブックスなどで電子版での購入も可能であり、一部閲覧もできますからぜひ。中国語が分からなくても、雰囲気は十分に伝わると思います。また、豊富な写真はどれも美しいです。風景写真もさることながら、著者はとくに人物の撮影が上手なんですよね。カメラを向けても相手が身構えないというのは才能、というか、彼女の人柄だと思います。
それにしても、たまたまフラッと出かけたバルカン半島での出会いが、こんなに続くなんて、思いもしませんでした。道中での彼女との対話が刺激となって、台湾についてあれこれ勉強し、台湾のみならず日本の近現代史について、自分の中途半端な知識や理解を思い知らされました。またそんなわけで、著者に誘われて台湾にも
なお誤解のないように述べておくと、残念ながら私は中国語が(繁体字も簡体字も)できないので、上記序文は、日本語で書いたものを、著者本人ならびに著者のご友人に翻訳してもらいました(なお著者が日本語を勉強し始めたのは比較的最近。すごいですよね)。今回の序文執筆の機会を与えてくれたこととあわせて、あらためて深く感謝を申し上げるとともに、著者のますますの活躍を心から期待する次第です。(あと、中国語が分かる方、読んで私がどう描かれているか教えてください笑)。



ついでに追記
Kirchentag のとき、ブランデンブルク門前でメルケルとオバマを見ました。双方とも話が簡潔で分かりやすく、かつ自分の言葉で語られた含蓄あるもので、なるほど感動しました(次のARDのサイトからは動画も閲覧できます。http://www.ardmediathek.de/tv/Kirchliche-Sendungen/Obama-und-Merkel-live-vom-Kirchentag/Das-Erste/Video?bcastId=4112710&documentId=43084900 冒頭30秒時点あたりでは人の集まり具合も分かります)。

