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日本社会学史学会『社会学史研究』最新38号に、拙稿「社会学の基本概念としての時間――現象学的社会学と社会システム理論からの展開」が掲載されました。昨年度のシンポジウム「社会学理論の最前線――時間」(大会プログラムはこちら)で報告させてもらった内容に、加筆修正を施したものです(ちなみに先日開催された2016年度大会のシンポテーマは「空間」でした)。

時間概念は、人文・社会科学ではいわば深遠さを演出するための小道具となりがちで、その反面、実際にはただときおり思い出したかのように語られるだけというタイプの概念のように思います。本稿ではこれに対して、時間概念と社会学理論の内在的な関係を、シュッツの現象学的社会学とルーマンの社会システム理論を手掛かりに、密度濃く示したつもりです。はたして社会学理論は時間概念なしでやっていけるのか。とくに、シュッツやルーマンの構想は、時間概念を無視してはそもそも成立できないように思われますが、どうでしょうか。

ちなみに本稿では、確率的な秩序概念についても簡単に触れています。もう少し詳しく知りたい方は、拙著『社会的世界の時間構成』254-256頁付近でも手短に触れていますから、ぜひご参考ください。この秩序の把握は、同書のなかで提示されている考え方でも重要なものです。関連して、同書256頁注3、271頁注17、376-377頁注21・22などもご覧ください。ヴェーバーとヨハネス・フォン・クリースの関係性については、2006年の拙稿「社会システムの理解社会学 序説」でも注で触れていますが、それを少し敷衍しています。


ともあれ今回の拙稿、ぜひご笑覧いただければ幸いです。
また、たいへん遅ればせではありますが、シンポで一緒に登壇させていただいた伊藤賢一先生と濱西栄司先生、討論者としてコメントをお寄せくださった三上剛史先生と佐藤成基先生、シンポ企画者兼司会の森元孝先生・出口剛司先生、さらに、シンポ席上にてご質問やご意見等をくださったフロアの方々に、この場を借りて深く御礼を申し上げます。

ちなみに今回の『社会学史研究』には、伊藤先生の論文「批判理論としての社会的加速化論――ローザ理論の射程」、濱西先生の論文「複数の時間とアンビバレンス――タッボーニ/トゥレーヌによる行為論的時間論」、三上先生の論文「『時間』に嗜癖する近代――時間の熔解と社会学理論」も、特集論文として収められています(また特集自体の序文「はじめに」を出口先生が書かれています)。