ゴールデンウィークが明けて、授業が再開されて2週間が経ち、今日で3週目です。
幸いにしてわたしの担当している授業の受講者では、震災で大きな被害にあった学生はいないようですが、自分の体験についてそれぞれに思うところはあるようです。
4月26日(火)に、拙ゼミでは熊本に残っていた有志で益城町にボランティアに行きましたが、大学の平常運転が始まってしまうとなかなかこうしたことは難しい。もとより、いろいろな意味で難しいのがいまの日本の大学の枠組でしょう。文科省はボランティア学生に配慮するよう通達を出してはいますが。
そんなこともあって、自分たちの経験をいちど学問的に整理すべく、ゼミでは少し予定を変えて、災害ならびにボランティアに関連する論文をしばらく講読中です。社会人間学コースであれば、学年や拙ゼミ履修の有無に関係なく参加可能な「オープンゼミ」としたところ、奇特な学生が一人来てくれました。
その学生も交えて、先週は、ささやかながらドイツビールでゼミの新歓を実施しました。本年度は、業務の都合によりゼミで正式な新3年生の受け入れをおこなっておらず、上級生には申し訳ないところなのですが、幸いにして他ゼミから活きのいい3年生1名が大変熱心に参加してくれています。また、他学科からも1人昨年度に引きつづき参加してくれており、また、ゼミのドイツ留学組1名も帰国して、いつものように新年度の春先らしい活気に満ちています。
ただビアホールに向かう途中、みなで熊本城の周辺を見てきましたが、大きく崩れた石垣や、街のメインストリートから見える一部「シースルー」化した熊本城は、やはりあらためてそれなりに衝撃のようでした。今回の震災についてはすでに報道が減っていて全国的には早くも風化が進んでいるようですが、余震の数も依然として少なくなく、もういちど大きな震度のものが来れば、熊本城もわれわれの生活もふたたびどうなるか分かりません。
それでも、いまの熊本城の姿を、何とか耐えている勇姿として感じることができるようにもなりつつあります。被災者の方、また避難されている方はまだ多いですが、われわれ大学人としては、研究や教育など、それぞれの仕事でやれるところからひとつずつ着実に、一歩ずつ前に進みたいと思います。
【現在の熊本城とその周辺】(クリックすると大きな画像を閲覧できます)





【ボランティア出発前とゼミ新歓】


