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東洋大学アイスホッケー部が、関東大学リーグ戦で見事優勝を果たしました。
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わたしの文献講読の授業に6名の部員がおり、誘われて今日の早稲田大学との優勝決定戦を観戦しましたが、両者1勝1敗でゆずらず、延長戦にもつれ込み、それでも決着がつかなかったためPK戦(ゴール・ウィニング・ショットと言うそうです)に突入するも、代表の3人だけでは勝負が決まらないという、最後まで白熱した展開となりました。あまりのドキドキぶりに、観ているほうが口から心臓が飛び出しそうでした。

東洋大学は、大学アイスホッケー界でもトップクラスのチームなだけに、普段の練習も相当ハードだと思いますが、彼らは授業にもちゃんと出席して、それぞれの個性や持ち味を発揮しつつ、いっしょに頭を悩ませながらマルクスやヴェーバーを読んでいます。わたしはこれまで、彼らの授業での一面しか知りませんでしたが、今回、日頃とはまた違った彼らの姿を見ることができたのは、たいへん良かったです。

同じゼミの友人たちもお手製の横断幕を持参して応援に駆けつけ、スタンドにも一体感があり、もつれにもつれた末に優勝が決まった瞬間は、滅多に体験できないほどたいへんドラマチックで、感激しました。この試合の前は、マルクスにかこつけて、革命的勝利を期待するなどと冗談めいたことを言っていましたが、文字どおり革命的と言ってよいくらい劇的でした。

本当におめでとう!

第83回日本社会学会大会(11月6-7日 於:名古屋大学)が終了しました。
今回わたしは、栄えある第1回若手フォーラムのメンバーとして、4つ立てた企画のうちのとくに2つに関わることができました。すなわち、第2テーマ部会の「社会学は役に立つのか?――社会のなかの社会学」と第3テーマ部会の「社会学の境界はどこにあるのか?――大学のなかの社会学」です。

この2つの企画は、日本社会学会のいつもの部会とは違う趣旨と形式のものにチャレンジしてみようという意図から生まれたものであり、われわれ社会学者たちが普段から何となく疑問に思いながらもあえて主題化せずにきた、自己反省的な問題を取り上げてみようと考えた結果です。

ただ大会当日、この2つのテーマ部会は、あろうことか今をときめくドイツの社会学者ウルリッヒ・ベック氏を招いたテーマセッション「日本と東アジアにおける多元的近代」の時間帯とまるまる重なっており、しかも名古屋とはいえ地方開催の大会であり、はたしてどれくらいの方にご来場いただけるのか、心配は尽きなかったのですが、いざ蓋を開けてみれば立見がでるほどの予想以上の盛況ぶりで、この部会をやってよかったと心から思いました。

東京に戻ってきて以来あまりに仕事で慌ただしく、遅くなってたいへん恐縮ではございますが、つきましては、ここであらためてお礼の言葉を申し上げたいと思います。

まず、第2テーマ部会のご登壇者である中村由佳さん、渋谷晴子さん、國井彰子さん、鎌倉由里子さん、そして第3テーマ部会のご登壇者である坂本義和さん、周宗さん。
社会学と社会を、また社会学と他学問をつなぐという本企画の今回の成功は、ひとえに皆さまのおかげにほかなりません。ウィットやリアリティに富んだ皆さまのお話に何度救われたことか。ご多忙のところご登壇を快くお引き受けくださったことはもとより、そもそも今回の企画の趣旨も形式も、通常の部会のそれとはまったく別物であったにもかかわらず、企画者の意図をわれわれ企画者以上にご理解いただき、巧みに議論を運んでくださったことには、感謝の言葉もありません。皆さまからもっとも学ばせていただいたのは、じつは横に座っていたわれわれ企画者側だったように思います。本当にありがとうございました。

また、温かなご意見や厳しい批判などをお寄せくださったフロアの皆さまには、あらためて厚く御礼を申し上げます。これほど多くの方と、社会学に対する同じ反省的な問題関心を共有できるのだと、社会学者として本当に心強く感じました。もっともっと皆さまと討論をつづけたかったのですが、時間が足りないくらいになってしまい、申し訳なく思います。部会後にご挨拶できなかった方もいらっしゃったので、ぜひまた皆さまとお目にかかる機会をいただければと、心よりお願い申し上げます。

そして、われわれを陰ながら支えてくださった船橋晴俊先生、浜日出夫先生、飯島祐介先生、また、日本社会学会理事会の諸先生方には、今回が初めての若手フォーラムだったこともあり、ご心配をおかけしっぱなしだったと思います。それでも先生方がわれわれを信じて任せてくださったことには、感謝の気持ちでいっぱいです。おかげで社会学者として貴重な経験を積ませていただき、ひとつ成長できたように思います。本当にありがとうございました。これを今後の日本社会学会の発展に還元できるよう、いっそうがんばりたいと思います。また、大会会場の名古屋大学のスタッフの皆さまにはご面倒なお願い事にも何かとご助力をいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。

最後に、この若手フォーラムにいっしょに参加した、川端浩平さん、白石壮一郎さん、石阪督規さん、佐藤典子さん、田中大介さん、安達智史さん、柳原良江さん。ドキドキの顔合わせからこの半年のあいだ、本当にありがとうございました。若手フォーラム全体の成功に、安堵感と達成感でいっぱいです。なかでもとくに、同じ2つのテーマ部会を担当した石阪さん、佐藤さん、田中さんに、あらためて深く御礼を申し上げます。話すたびにいつも笑いと驚きに溢れ……。皆さんと語らった時間はわたしの社会学者人生でもっとも密度の濃い時間であり、皆さんから学んだことはわたしの社会学者人生の貴重な財産です。皆さんといっしょに仕事ができて心からよかったと感じています。本当に本当にありがとうございました。

2週間ほど前にかつての教え子から記事に拍手コメントをもらっていたことに今日気づきました。嬉しいものです。

記事のリンク先のFC2ブログについて2点。

1)どうやらFC2ブログ側の不具合で、昨日書いた記事に、拍手用のボタンが表示されません。環境設定ではちゃんと表示するよう指定してあるのですが……。しばらく様子見とせざるをえませんのでお待ちください。

2)拍手をくださった方からコメントをつけていただけることを、いま初めて知りました。もしこれまでにコメントをくださっていたのに、当方が気づかずにスルーしてしまっていた方がおりましたら、ゴメンナサイ。どうか懲りずにまたコメントなどお寄せいただけるとありがたいです。

追記
1)については、いま拍手ボタンのカラーを黒に変更したら直りました。これまでの白色ボタンに不具合があるようです。

パラパラとマックス・ヴェーバーの本を見返していたら、
ある文章に線が引かれているのが目に入りました。

……今日の流行や作家熱は、専門家を無視するか、あるいは、「直観的に捉える人びと」の下働きに格下げしたりすることができるように考えがちである。もちろん、ほとんどすべての学問が、なんらかの、いや、しばしばきわめて貴重な観点をディレッタントたちに負っている。けれども、ディレッタンティズムが学問の原理となっては、もはやおしまいであろう。「直観的に捉えること」を願う人びとは、映画館へでも行くがよい。そういう人びとにはまた文学の形式でも、この問題領域について、今日きわめて多くのものが提供されているはずである。ともかく、そういった考え方ほど、厳密に経験的な研究たることを意図する、醒めきった論証的叙述と縁遠いものはない。

               マックス・ヴェーバー『宗教社会学論選』(大塚・生松訳)

あらためて、今も昔も変わらないんだな、という気がします。
たぶん以前に読んだときもそう思って線を引いたのでしょう。

わたしが大学生くらいのころ、この界隈の著作や論文には、文章を飾ることに一生懸命で、一見すると何か深遠なことを言おうとしているように見えるが、冷静に考えてみるとじつは何を言っているのか、そもそもなぜそんなことを言い切れるのか、だいたいほんとうに学術的な価値があるのかさえ分からない、といった手合いのものを見かけることが、ままありました。
しかもこの手のものは、青年期にありがちな自意識過剰をそのままアイデンティティにして、苦悩を装うことに自己陶酔してしまった永遠の思春期のような話にまで及んでいることもあり、人生論としてすら深みがなく、読まされているこちらが気恥ずかしくなってくることもありました。

最近でこそこの手のものはさすがに少なくはなりましたが、まだときおり見かけます。
ですがいずれにせよ、いまになってあらためてはっきりと思うのは、人生に悩んだ結果として哲学や思想や社会学の研究をする、といった類はディレッタンティズムであり、本当にザッへに仕えている人であれば、その逆、つまり、研究している結果として深く悩むものだ、ということです。

こうした違いは、意外にうわべからは分からないこともありますが、その人のおこなっている仕事の文字どおりの真価をはかるうえでは、かなり本質的なポイントであるように思っています。


田舎育ちのわたしから見ても尋常ではないデカさ。
とても素人には駆除できない代物でした。
都市部への進出が著しいようですね。